―HIROの非日常―

そう全ては、コノヨノマボロシ―Worldly Phantom―……非日常が加速する。

コノヨノマボロシ第一期《起》  >>1 >>2 >>3

コノヨノマボロシ第二期《承》  >>1 >>2 >>3 >>4

コノヨノマボロシ第三期《転》  >>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10

コノヨノマボロシ第四期《結》 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9

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コノヨノマボロシ第二十一話『still night』



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第二十一話『still night』

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――still night

――静かな夜。

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斬撃、銃撃。
静かな夜に木霊するそれは、また漆黒の闇に飲まれ、消える。
――任務遂行部隊第9班部隊長”Chain Restraint”
闇の中を疾走する影の一つの名である。
そして、もう一つの影。
――任務遂行部隊第7班所属”Phantom”
二つの影は一点で交わると、どこまでも濃い、紅色の血を巻きながら、また離れる。

”Chain Restraint”は右手に持っている無骨な鎖をムチのように動かすと金属がまるで意思を持つかのように自分を追尾する。
追ってくる鎖にベレッタの弾丸を 1、2、3発とリズム良く命中させると、炸裂、炸裂、炸裂。そしてもう一つの愛銃――デザートイーグルで一撃。
強大な炸裂音と共に鎖は重力に引っ張られ地面へ乾いた音を鳴らした。
その間に”Chain Restraint”は隼人の死角からナイフで一撃。
隼人は紙一重で左へ跳躍し攻撃を避ける、それと同時にベレッタを3回発砲。
しかし、”Chain Restraint”はそれに対し自らの鎖をもう一度動かし弾丸を受け止める。
そして、弾丸の炸裂。
”Chain Restraint”が体制を崩すのと同時に懐へ『力式変化能力』で入り込む。
懐から、.0距離で、拳撃と蹴りを次々繰り出す。
”Chain Restraint”の体が大きく仰け反った。隼人が胸倉をつかんだまま一言。

『これでもう、十分でしょう。”Chain Restraint”隊長』

”Chain Restraint”は酷く腫れ上がった顔で重たい口を開いた。

『殺せ。』

死を覚悟した目で言い放つ。

『俺にはこれ以上アナタと戦う理由はない』

『甘えるな、”Phantom”。俺もエージェントだ。』

男は懐からタバコを一本取り出して火をつける。
それと同時に隼人がつかんでいた手を離した。

『死に際くらい……俺に選ばせろ』

そう、言うと腰に携帯していたナイフを取り出した。

『”Phantom”。一言だけ言いたいことがある。』

『なんですか?隊長。』

隼人は”Chain Restraint”の行動をとめることはなく、ただ見ていた。
酷く冷たい目で……。
すると、”Chain Restraint”がタバコの火を押し消した。

『お前らの中に裏切り者がいる……ソイツの名は……』

『――だ。』

一瞬、自分の耳を疑った。
驚きに身をすくめた刹那、”Chain Restraint”のナイフは自らの主人の命を摘み取っていた。

『ウソだろ……』

隼人は、それだけ呟くと沙織を抱えて西の方向へ大きく跳躍した。

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――裏切りの花が咲いたのは。

――虫の声さえ聞こえない。

――still night。















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――ウソだと言ってくれ……紅姫。

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