コノヨノマボロシ第二期《承》 >>1 >>2 >>3 >>4
コノヨノマボロシ第三期《転》 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10
コノヨノマボロシ第四期《結》 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9
コノヨノマボロシ EX story >>1 >>2 >>3 >>4

2007.02.08 コノヨノマボロシ第十七話【They to the draw a conclusion】
【They to the draw a conclusion】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
休息の時間。
しばし、日常から開放された時間。
本当に愛しいほどの時間はゆっくりと過ぎてゆく。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
蒼く澄み渡る空を眺めたまま、景色がまた流れてゆく。
本当の意味での決意。心に刻みこんだ。
自分が何のためにここに存在しているのか、自分が何をしなければならないのか。
すべて再確認できた。
「まずは一度ワイの家にいこか、何をするにしても準備は必要や」
もう聞きなれた関西弁。―medical―の提案。
もちろん賛成しておいた。―medical―は他に異存がないことを確認してハンドルを握り直した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それから一時間ほど車に揺られ、到着した閑静な住宅街。
その中でもシンプルな作り、いわゆる豪邸の部類に含まれる純和風の家。
―medical―の家に到着。
広く、手入れの行き届いた玄関を抜け、客間へ通される。
「まぁ、その辺で適当にくつろいでてええよ」
そう―medical―は言ったあと、なにか準備があると言い客間を出た。
「なんか落ち着かないねぇ〜」
沙織の間の抜けた声。
「確かに……ゆっくりと言われてもねぇ?」
続いて紅姫も用意された座布団に座り込みながらあたりを見回す。
古い感じはしないが、趣ある作り。家具なんかは高級品ばかりだと素人でもわかる。
――もしかして、―medical―ってメチャメチャ金持ち?
そう思って間違いないのだろうか。そんなくだらないことを紅姫、沙織と話していると、Yui が一言。
「素敵ですね、なんか家の雰囲気とか……こういうの好きです」
思わず笑みが零れた。いつも無表情なYui の意外な一言に初めて見る笑顔。
とびっきりの笑顔ではない、少し微笑んだ程度の笑顔。
”ヒト”としての感情。しかし、自分と紅姫と沙織の三人が思い浮かべたのは同じことのようだ。
「へぇ〜」
「ふぅ〜ん」
二人のあまり品がいいとは言えない声。
Yui がキョトンとした顔になった。
俺が必死に笑いを堪えているのを見て、またYui はキョトンとした。
「あの、なにか私変なコトいいました?」
不思議そうに尋ねてくるYui を沙織と紅姫が微笑み混じりで誤魔化していると不意に入り口の障子が空いた。
「またせたなぁ〜とりあえずお茶と菓子持ってきたからくつろいでてや、すぐに風呂と飯の準備するさかい。」
そういって―medical―が手に持っていたシンプルな丸い御盆をテーブルの上に置く。
四つの湯飲みに緑茶が注がれた。
その隣には、四つの小さな小皿に高級感溢れる見事な和菓子。
花を模様している、綺麗な桃色の菓子。淡い緑色の葉を模様した、まるで花を立てるように置かれた菓子。
互いが互いを尊重しあっているような二つの菓子。
素人でも分かる見事な作品。
しばらくお菓子を見つめていた沙織があわてて部屋を出た、―medical―を追いかける。
「私もお手伝いしますー!」
――あれ?沙織って料理できたっけ?確か、悲惨な目にあった覚えが……。
まぁほうっておこう。―medical―も一緒だし。
その間に紅姫とYui は和菓子を楽しんでいた。
「甘過ぎない味、それに綺麗」
「そうですね」
Yui が相槌を打つ。
自分も一口。素晴らしい甘さ加減に中のしっとりとした生地が絶妙だった。
紅姫がニコニコと笑い、Yui は少し微笑んだ。
何日ぶりだろうか、こんなに自然な笑顔を見れる時間。
つられて微笑むと障子の向こうから―medical―の声がした。
「風呂の用意ができたさかい紅ちゃん達先に入るとええ。あぁ嬢ちゃんは先にはいっとるよ、あと風呂は出て左の廊下の突き当たりにあるで」
すると紅姫、Yui は立ち上がり部屋を出た。
部屋には自分だけ。畳式の床に寝転んで頭の後ろで手を組む。
本当に何日ぶりなのだろうかこんな”非日常”。
当たり前の日常から遠のき過ぎて薄っぺらく感じられる。
いつかはガラスのように少しの力で割れてしまうのではないのだろうかと思うほどだ。
そのまま目を閉じて、しばしの眠りについた。
――隼人!起きや!
聞きなれた悠長な関西弁に起こされる。
「なんですか?」
「お前もわかっとらんなぁ……ウチの風呂は露天風呂になってんねん」
「それで?」
――露天風呂になってるのがスゴいと思うけど。
「わからんやっちゃなぁ……まぁついてこいや」
そのまま―medical―に手を引かれたまま着いて行く。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
立ち上がる湯煙。
目の前に広がったのは岩作りの露天風呂。
――まるで旅館みたい。
少し、胸が弾んだ。胸の上から巻いたタオルを押さえながらまず髪を洗う。
ここ数日、あまり手入れをしていないせいか少しいつもと違う。
いつもより丁寧に手入れをしていると奥の扉が開いた。
――ガラッ。
入ってきたのは赤髪の少女と、綺麗な黒髪が腰の辺りまで伸びた美しい女性。
紅姫とYui だ。
「ひろーい」
紅姫の子供のような声。
続いて綺麗な黒髪をまとめながら不思議そうに目を丸くする。
「ここで……なにをするんですか?」
そうか、Yui はお風呂知らないんだ。
苦笑いを浮かべたまま続ける。
「ここで、体の汚れを落とすんだよ?髪の毛洗ったり体洗ったり……」
不思議な顔のままYui は自分の体を見る。
そのまま考え込むように首をかしげた。となりから紅姫が顔をだす。
「じゃあ教えてあげるからこっちにきなさいよ」
紅姫はニコニコとした顔で手招きする。
本当に可愛い笑顔。そうか、まだ14歳なんだよね。
「私も――」
と続けようとして立ち上がると、体に巻いていたタオルが床に落ちた。
体のラインがはっきりする。とっさに床に落ちたタオルを拾い上げ胸の前で隠す形になる。
それを見ていた紅姫が少し残念そうに声を上げる。
「いいなぁ……沙織さんとYui さんはスタイルよくて」
紅姫は自分の発展途上の胸を見つめてため息を漏らす。
苦笑いを浮かべ、フォローをしながら湯船に浸かった。ちょうどいい温度で気持ちいい。
――しばし日常の疲れを取るように静かに目を閉じた。
――隣に咲いていた名すら聞かない花が一つ風に揺れた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

少しの間だけだから……。
休息の時間。
しばし、日常から開放された時間。
本当に愛しいほどの時間はゆっくりと過ぎてゆく。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
蒼く澄み渡る空を眺めたまま、景色がまた流れてゆく。
本当の意味での決意。心に刻みこんだ。
自分が何のためにここに存在しているのか、自分が何をしなければならないのか。
すべて再確認できた。
「まずは一度ワイの家にいこか、何をするにしても準備は必要や」
もう聞きなれた関西弁。―medical―の提案。
もちろん賛成しておいた。―medical―は他に異存がないことを確認してハンドルを握り直した。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
それから一時間ほど車に揺られ、到着した閑静な住宅街。
その中でもシンプルな作り、いわゆる豪邸の部類に含まれる純和風の家。
―medical―の家に到着。
広く、手入れの行き届いた玄関を抜け、客間へ通される。
「まぁ、その辺で適当にくつろいでてええよ」
そう―medical―は言ったあと、なにか準備があると言い客間を出た。
「なんか落ち着かないねぇ〜」
沙織の間の抜けた声。
「確かに……ゆっくりと言われてもねぇ?」
続いて紅姫も用意された座布団に座り込みながらあたりを見回す。
古い感じはしないが、趣ある作り。家具なんかは高級品ばかりだと素人でもわかる。
――もしかして、―medical―ってメチャメチャ金持ち?
そう思って間違いないのだろうか。そんなくだらないことを紅姫、沙織と話していると、Yui が一言。
「素敵ですね、なんか家の雰囲気とか……こういうの好きです」
思わず笑みが零れた。いつも無表情なYui の意外な一言に初めて見る笑顔。
とびっきりの笑顔ではない、少し微笑んだ程度の笑顔。
”ヒト”としての感情。しかし、自分と紅姫と沙織の三人が思い浮かべたのは同じことのようだ。
「へぇ〜」
「ふぅ〜ん」
二人のあまり品がいいとは言えない声。
Yui がキョトンとした顔になった。
俺が必死に笑いを堪えているのを見て、またYui はキョトンとした。
「あの、なにか私変なコトいいました?」
不思議そうに尋ねてくるYui を沙織と紅姫が微笑み混じりで誤魔化していると不意に入り口の障子が空いた。
「またせたなぁ〜とりあえずお茶と菓子持ってきたからくつろいでてや、すぐに風呂と飯の準備するさかい。」
そういって―medical―が手に持っていたシンプルな丸い御盆をテーブルの上に置く。
四つの湯飲みに緑茶が注がれた。
その隣には、四つの小さな小皿に高級感溢れる見事な和菓子。
花を模様している、綺麗な桃色の菓子。淡い緑色の葉を模様した、まるで花を立てるように置かれた菓子。
互いが互いを尊重しあっているような二つの菓子。
素人でも分かる見事な作品。
しばらくお菓子を見つめていた沙織があわてて部屋を出た、―medical―を追いかける。
「私もお手伝いしますー!」
――あれ?沙織って料理できたっけ?確か、悲惨な目にあった覚えが……。
まぁほうっておこう。―medical―も一緒だし。
その間に紅姫とYui は和菓子を楽しんでいた。
「甘過ぎない味、それに綺麗」
「そうですね」
Yui が相槌を打つ。
自分も一口。素晴らしい甘さ加減に中のしっとりとした生地が絶妙だった。
紅姫がニコニコと笑い、Yui は少し微笑んだ。
何日ぶりだろうか、こんなに自然な笑顔を見れる時間。
つられて微笑むと障子の向こうから―medical―の声がした。
「風呂の用意ができたさかい紅ちゃん達先に入るとええ。あぁ嬢ちゃんは先にはいっとるよ、あと風呂は出て左の廊下の突き当たりにあるで」
すると紅姫、Yui は立ち上がり部屋を出た。
部屋には自分だけ。畳式の床に寝転んで頭の後ろで手を組む。
本当に何日ぶりなのだろうかこんな”非日常”。
当たり前の日常から遠のき過ぎて薄っぺらく感じられる。
いつかはガラスのように少しの力で割れてしまうのではないのだろうかと思うほどだ。
そのまま目を閉じて、しばしの眠りについた。
――隼人!起きや!
聞きなれた悠長な関西弁に起こされる。
「なんですか?」
「お前もわかっとらんなぁ……ウチの風呂は露天風呂になってんねん」
「それで?」
――露天風呂になってるのがスゴいと思うけど。
「わからんやっちゃなぁ……まぁついてこいや」
そのまま―medical―に手を引かれたまま着いて行く。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
立ち上がる湯煙。
目の前に広がったのは岩作りの露天風呂。
――まるで旅館みたい。
少し、胸が弾んだ。胸の上から巻いたタオルを押さえながらまず髪を洗う。
ここ数日、あまり手入れをしていないせいか少しいつもと違う。
いつもより丁寧に手入れをしていると奥の扉が開いた。
――ガラッ。
入ってきたのは赤髪の少女と、綺麗な黒髪が腰の辺りまで伸びた美しい女性。
紅姫とYui だ。
「ひろーい」
紅姫の子供のような声。
続いて綺麗な黒髪をまとめながら不思議そうに目を丸くする。
「ここで……なにをするんですか?」
そうか、Yui はお風呂知らないんだ。
苦笑いを浮かべたまま続ける。
「ここで、体の汚れを落とすんだよ?髪の毛洗ったり体洗ったり……」
不思議な顔のままYui は自分の体を見る。
そのまま考え込むように首をかしげた。となりから紅姫が顔をだす。
「じゃあ教えてあげるからこっちにきなさいよ」
紅姫はニコニコとした顔で手招きする。
本当に可愛い笑顔。そうか、まだ14歳なんだよね。
「私も――」
と続けようとして立ち上がると、体に巻いていたタオルが床に落ちた。
体のラインがはっきりする。とっさに床に落ちたタオルを拾い上げ胸の前で隠す形になる。
それを見ていた紅姫が少し残念そうに声を上げる。
「いいなぁ……沙織さんとYui さんはスタイルよくて」
紅姫は自分の発展途上の胸を見つめてため息を漏らす。
苦笑いを浮かべ、フォローをしながら湯船に浸かった。ちょうどいい温度で気持ちいい。
――しばし日常の疲れを取るように静かに目を閉じた。
――隣に咲いていた名すら聞かない花が一つ風に揺れた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

少しの間だけだから……。
TRACKBACK
TB URL » for FC2 user






今更ですが、色んなことにファイト