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2006.12.27 コノヨノマボロシ第九話【laughter is innocent; childlike】
【laughter is innocent; childlike】
静かな夜にこだまする《狂気》の声。
その夜は、恐ろしいほどの静寂を保っていた。
「……ククク……いいでしょう、あなた方の覚悟に敬意を表してお教えしまショウ」
乱れた白衣をキッチリと着直して《狂気》はいつもの調子で語りだした。
「まずは、T・Pについておさらいしましょうかネ?そもそもT・Pとは……」
「この世界に存在している人間に生まれついて寄生しているもの」
紅姫が遮るようにして言う。
《狂気》は何をするでもなく、紅姫の意見に相槌を打ちながら微笑する。
「その通りですネ、そこで本題ですがT・Pは 寄生 しているんです」
沙織が、意味を問い返した。
「どういうことですか?《狂気》さん」
《狂気》は机の引き出しから一枚のファイルを取り出して紅姫に投げ渡した。
『T・P摘出研究資料』
ファイルにはそう書いてあった。
「これは……」
紅姫はページをめくりながら驚きの声をあげる。
《狂気》は、沙織を一瞥して口を開く。
「結論から言いましょう、T・Pは 摘出 できます」
《狂気》の言葉に紅姫がファイルに目を通しながら頷く。
「確かにそのようね、摘出術式がこのファイルに記してあるわ」
沙織がファイルを覗き込みながら目を丸くする。
「これって《狂気》さんが書いたんですか?」
《狂気》がポケットから一本タバコを取り出して慣れた手つきで火をつけ、吹かす。
吐き出された紫煙はゆっくりと空気中に散ってゆく。
「そんなわけないですヨ、それはウチの研究開発部隊の一人、エージェント名《構成》、それはそれは研究熱心な方でしたヨ」
沙織は、目を輝かせて胸の前で手を組み聞き返す。
「そのひと、まだ本部ってとこにいるんですか!?」
「死んだわ」
紅姫が沙織の言葉にかぶせるようにして言う。
《狂気》は微笑して本当に楽しそうに笑う。
「過ぎた好奇心は身の破滅を招く……ですかネ、彼は殺されました、T・Pではありません事故死です」
不意に声がした。紅姫でも沙織でもない声。
「名目上はね」
沙織と紅姫が後ろへ振り返ると驚きの声を上げた。
「隼人!」
「隼人!」
隼人は表情を崩さずに《狂気》を見据えたまま続きを話し出す。
「《構成》は、研究中の機械類の誤作動に巻き込まれて首筋を誤って切断、処置を施すも出血多量により他界」
隼人がそう話し終えると《狂気》は、タバコを机に置いてあった銀食器のような灰皿へ放り込む。
「しかし、本部のメインコンピュータをハッキングした結果、研究開発部隊長と総裁のメールの内容を確認できた」
狂気は、虎視眈々と調子を変えず言う。
「殺されました、研究開発部隊長が直接、機械類に細工を施していたようです」
そこまで《狂気》が話したところで隼人の背後のドアからノックの音が鳴った。
「おやおや……これはこれは……本部の匿名と遂行部隊ですネ、おしゃべりはここまでにしましょう」
《狂気》の背後の本棚が左右に開いた。
「ここから裏通りにでられます、早くにげなさい……それからT・Pを取り除くにはT・Pの体液サンプルを生成したものが必要です。それは研究開発部隊の管理下にある研究資料在庫にあるはずです、毒を持って毒を制すという奴ですね、それから《紅》、これを」
《狂気》が紅姫に錠剤の入ったビンを渡す、《狂気》が紅姫に何か囁くと紅姫は大きく頷き裏口へ走り出す。
隼人は《狂気》を一瞥すると、はき捨てるように言う。
「アンタ大丈夫なのか?こんなことして」
《狂気》はもう一本タバコを取り出して吹かした。
「どのみち私も本部から追われている身です、状況は変わらないでしょう、それに……あなた方についた方が面白そうですしネ?」
――彼は本当に楽しそうに笑みを浮かべた
――彼の名は《狂気》
――彼の笑い声は静夜にこだましていた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――しかし――
―――事態はひそかに進行している。―――
その夜は、恐ろしいほどの静寂を保っていた。
「……ククク……いいでしょう、あなた方の覚悟に敬意を表してお教えしまショウ」
乱れた白衣をキッチリと着直して《狂気》はいつもの調子で語りだした。
「まずは、T・Pについておさらいしましょうかネ?そもそもT・Pとは……」
「この世界に存在している人間に生まれついて寄生しているもの」
紅姫が遮るようにして言う。
《狂気》は何をするでもなく、紅姫の意見に相槌を打ちながら微笑する。
「その通りですネ、そこで本題ですがT・Pは 寄生 しているんです」
沙織が、意味を問い返した。
「どういうことですか?《狂気》さん」
《狂気》は机の引き出しから一枚のファイルを取り出して紅姫に投げ渡した。
『T・P摘出研究資料』
ファイルにはそう書いてあった。
「これは……」
紅姫はページをめくりながら驚きの声をあげる。
《狂気》は、沙織を一瞥して口を開く。
「結論から言いましょう、T・Pは 摘出 できます」
《狂気》の言葉に紅姫がファイルに目を通しながら頷く。
「確かにそのようね、摘出術式がこのファイルに記してあるわ」
沙織がファイルを覗き込みながら目を丸くする。
「これって《狂気》さんが書いたんですか?」
《狂気》がポケットから一本タバコを取り出して慣れた手つきで火をつけ、吹かす。
吐き出された紫煙はゆっくりと空気中に散ってゆく。
「そんなわけないですヨ、それはウチの研究開発部隊の一人、エージェント名《構成》、それはそれは研究熱心な方でしたヨ」
沙織は、目を輝かせて胸の前で手を組み聞き返す。
「そのひと、まだ本部ってとこにいるんですか!?」
「死んだわ」
紅姫が沙織の言葉にかぶせるようにして言う。
《狂気》は微笑して本当に楽しそうに笑う。
「過ぎた好奇心は身の破滅を招く……ですかネ、彼は殺されました、T・Pではありません事故死です」
不意に声がした。紅姫でも沙織でもない声。
「名目上はね」
沙織と紅姫が後ろへ振り返ると驚きの声を上げた。
「隼人!」
「隼人!」
隼人は表情を崩さずに《狂気》を見据えたまま続きを話し出す。
「《構成》は、研究中の機械類の誤作動に巻き込まれて首筋を誤って切断、処置を施すも出血多量により他界」
隼人がそう話し終えると《狂気》は、タバコを机に置いてあった銀食器のような灰皿へ放り込む。
「しかし、本部のメインコンピュータをハッキングした結果、研究開発部隊長と総裁のメールの内容を確認できた」
狂気は、虎視眈々と調子を変えず言う。
「殺されました、研究開発部隊長が直接、機械類に細工を施していたようです」
そこまで《狂気》が話したところで隼人の背後のドアからノックの音が鳴った。
「おやおや……これはこれは……本部の匿名と遂行部隊ですネ、おしゃべりはここまでにしましょう」
《狂気》の背後の本棚が左右に開いた。
「ここから裏通りにでられます、早くにげなさい……それからT・Pを取り除くにはT・Pの体液サンプルを生成したものが必要です。それは研究開発部隊の管理下にある研究資料在庫にあるはずです、毒を持って毒を制すという奴ですね、それから《紅》、これを」
《狂気》が紅姫に錠剤の入ったビンを渡す、《狂気》が紅姫に何か囁くと紅姫は大きく頷き裏口へ走り出す。
隼人は《狂気》を一瞥すると、はき捨てるように言う。
「アンタ大丈夫なのか?こんなことして」
《狂気》はもう一本タバコを取り出して吹かした。
「どのみち私も本部から追われている身です、状況は変わらないでしょう、それに……あなた方についた方が面白そうですしネ?」
――彼は本当に楽しそうに笑みを浮かべた
――彼の名は《狂気》
――彼の笑い声は静夜にこだましていた。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――しかし――
―――事態はひそかに進行している。―――
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HIROさんこの調子でバンバン書いちゃってくださいナ!?
これからも期待して観てますよ