コノヨノマボロシ第二期《承》 >>1 >>2 >>3 >>4
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コノヨノマボロシ第四期《結》 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9
コノヨノマボロシ EX story >>1 >>2 >>3 >>4

2006.12.26 コノヨノマボロシ EX story
EX story
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12月25日
彼は私をいつも通り笑わせてくれるはずだった。
しかし彼はこない。
不意にポケットの携帯が軽快な着信音を鳴り響かせた。
彼と過ごすはずだった2度目のクリスマスは、彼と過ごす最後になってしまった。
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コノヨノマボロシ EX story
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1年前の同じ日。
12月25日。
舞い上がる血飛沫、生臭い、鼻をつく異臭。
その真ん中に私は立っていた。
まだ息のあるT・Pに向かって最後の一撃を見舞うべく槍を振り上げ……振り下ろす。
放射状に広がる脳髄、粉々になった頭蓋骨、飛び散る鮮血。
――不意に声がした。
「そっちは終わったのか?《創造》――香坂 唯?」
細身、金髪の彼もまた血まみれで立っていた。
「作戦完了よ、《泥道化》――時雨雪 遠矢」
彼は満足そうな顔をして歩み寄ってきた。
突然に頭にやわらかい感触。
彼がなでてくれているのだ。
「エライぞー!よくがんばった!」
まるで猫を可愛がるように彼は自分の頭を撫でてくれている。
「馬鹿にするなぁ!私だってエージェントだぞ!」
彼が撫でてくれている手を払いのけ、歩き出した。
彼は私の1メートルほど後ろで手を頭の後ろで組んだままだ。
「しっかし、せっかくのクリスマスだってのにT・Pの排除命令とは……ついてないぜ」
彼はため息交じりで歩き続ける。
彼の側に居ると、暖かい。
急に苦しくなったりする……正直これが 好き という感情であるかどうかはまだわからない。
なんて考え事をしていたら、瓦礫を踏み外し足を挫いてしまった。
「ふぁあ!?」
そんな情けない声を発していた。
どうやら右足首を捻挫してしまったらしい、激しい痛みで顔が歪む。
「おい、大丈夫か!?……これは酷いな」
彼はそういうとポケットから缶コーヒーを取り出した。
私の足首へ当てる。
ひんやりした感覚が心地よかった。
「あ……ありがとう、貸しができたわ」
ほんとはこんなこと言いたくないのに口が発してしまっていた。
なぜ素直になれないんだろう。
「貸し?いいよそんなもん」
「そうはいかない!貸しは貸しだから!」
彼がいきなり、真面目な顔になった。
「こっちでいいよ……」
彼はゆっくり私の唇になぞるように唇を重ねた。
とてもやさしいキスだった。
「……バカ……」
何故かとても嬉しかった、そこで確信した。
私はこの人が 好き なのだと。
――気付くと、雪が降り出していた。
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軽快な着信音とは不釣合いなほど不条理な現実が待っていた。
「エージェント《創造》、T・P排除命令です。危険レベルA フォースです。すでに《泥道化》が現場に向かっています、現場はA−13区域 廃工場です」
彼女は走り出していた。
なによりも愛する人のために。
すべてを捧げてもいいと、思えた人のもとへ。
中央通を突っ切り、人気のない裏通りを走り、最短ルートで目的地へ急ぐ。
Aー13区域 廃工場に到着した。
錆び付いたドアを力任せに開け放つ。
彼はすでに交戦中だった。飛び交う銃弾、T・Pの攻撃を紙一重で避ける彼。
「遠矢!」
彼がこちらを一瞥して、答える。
「唯!」
その刹那、彼の身体をT・Pの鋭い蝕腕が貫いた。
空気中に舞う彼の血飛沫……自分へ答えたことでT・Pへの攻撃にコンマ1秒反応が遅れてしまったのだ。
――自分が殺してしまった。
「遠矢!……しっかりしてよぉ……」
彼は、力を振り絞り私の頭をいつも通り優しく撫でながら弱弱しく。
「泣くな、お前が泣くと俺だって悲しくなる……だろ……唯」
彼が大量に吐血した。内臓がどうしようもないほどにやられてしまっているのが歴然だった。
「ごめんなさい……私が……声を掛けたから」
彼が弱弱しい声のまま否定する。
「そんなことない、お前のせいなんかじゃない……あぁ……よかった……お前が無事で」
彼は、虚空を見つめながらそう呟いた。
少しずつ彼が撫でてくれている手が動かなくなっている。
「遠矢!遠矢!ダメ死んじゃいや!」
彼が最後の力を振り絞り一言だけ呟いた。
「Merry Christmas――唯」
彼の腕が力尽き、地面へ音もなく崩れ落ちた。
その間にもフォースは《泥道化》の体の一部を吸収しつくし、次なるターゲットへ向かって右側の蝕腕を高速で向かわせる。
――「タイプ 創造型 creator the 《創造神》」――
その刹那、フォースの右半身が吹き飛んでいた。
彼女の異能――物質形状変化能力、いわゆる一つの物質から単純なもの、剣やナイフならいくらでも作り出す事ができる異能。
ゆえに彼女はcreator、創造神と名がついた。
彼女はT・Pのちょうど真下に存在するコンクリートを3メートルほどの円錐状に引き上げると同時にT・Pの右半身を吹き飛ばした。
左半身のみ残ったフォースはゆっくりと砂煙と血煙を混ざり合わせながら倒れてゆく。
砂埃と血煙の中で彼女は遠矢の唇にみずからの唇を重ねた。
「愛してる」
空から降ってきた雪は、すべてを包んでしまおうとするかのように真っ白であった。
今夜は聖なる夜、Christmas
「Merry Christmas――遠矢」
Fin
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12月25日
彼は私をいつも通り笑わせてくれるはずだった。
しかし彼はこない。
不意にポケットの携帯が軽快な着信音を鳴り響かせた。
彼と過ごすはずだった2度目のクリスマスは、彼と過ごす最後になってしまった。
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コノヨノマボロシ EX story
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1年前の同じ日。
12月25日。
舞い上がる血飛沫、生臭い、鼻をつく異臭。
その真ん中に私は立っていた。
まだ息のあるT・Pに向かって最後の一撃を見舞うべく槍を振り上げ……振り下ろす。
放射状に広がる脳髄、粉々になった頭蓋骨、飛び散る鮮血。
――不意に声がした。
「そっちは終わったのか?《創造》――香坂 唯?」
細身、金髪の彼もまた血まみれで立っていた。
「作戦完了よ、《泥道化》――時雨雪 遠矢」
彼は満足そうな顔をして歩み寄ってきた。
突然に頭にやわらかい感触。
彼がなでてくれているのだ。
「エライぞー!よくがんばった!」
まるで猫を可愛がるように彼は自分の頭を撫でてくれている。
「馬鹿にするなぁ!私だってエージェントだぞ!」
彼が撫でてくれている手を払いのけ、歩き出した。
彼は私の1メートルほど後ろで手を頭の後ろで組んだままだ。
「しっかし、せっかくのクリスマスだってのにT・Pの排除命令とは……ついてないぜ」
彼はため息交じりで歩き続ける。
彼の側に居ると、暖かい。
急に苦しくなったりする……正直これが 好き という感情であるかどうかはまだわからない。
なんて考え事をしていたら、瓦礫を踏み外し足を挫いてしまった。
「ふぁあ!?」
そんな情けない声を発していた。
どうやら右足首を捻挫してしまったらしい、激しい痛みで顔が歪む。
「おい、大丈夫か!?……これは酷いな」
彼はそういうとポケットから缶コーヒーを取り出した。
私の足首へ当てる。
ひんやりした感覚が心地よかった。
「あ……ありがとう、貸しができたわ」
ほんとはこんなこと言いたくないのに口が発してしまっていた。
なぜ素直になれないんだろう。
「貸し?いいよそんなもん」
「そうはいかない!貸しは貸しだから!」
彼がいきなり、真面目な顔になった。
「こっちでいいよ……」
彼はゆっくり私の唇になぞるように唇を重ねた。
とてもやさしいキスだった。
「……バカ……」
何故かとても嬉しかった、そこで確信した。
私はこの人が 好き なのだと。
――気付くと、雪が降り出していた。
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軽快な着信音とは不釣合いなほど不条理な現実が待っていた。
「エージェント《創造》、T・P排除命令です。危険レベルA フォースです。すでに《泥道化》が現場に向かっています、現場はA−13区域 廃工場です」
彼女は走り出していた。
なによりも愛する人のために。
すべてを捧げてもいいと、思えた人のもとへ。
中央通を突っ切り、人気のない裏通りを走り、最短ルートで目的地へ急ぐ。
Aー13区域 廃工場に到着した。
錆び付いたドアを力任せに開け放つ。
彼はすでに交戦中だった。飛び交う銃弾、T・Pの攻撃を紙一重で避ける彼。
「遠矢!」
彼がこちらを一瞥して、答える。
「唯!」
その刹那、彼の身体をT・Pの鋭い蝕腕が貫いた。
空気中に舞う彼の血飛沫……自分へ答えたことでT・Pへの攻撃にコンマ1秒反応が遅れてしまったのだ。
――自分が殺してしまった。
「遠矢!……しっかりしてよぉ……」
彼は、力を振り絞り私の頭をいつも通り優しく撫でながら弱弱しく。
「泣くな、お前が泣くと俺だって悲しくなる……だろ……唯」
彼が大量に吐血した。内臓がどうしようもないほどにやられてしまっているのが歴然だった。
「ごめんなさい……私が……声を掛けたから」
彼が弱弱しい声のまま否定する。
「そんなことない、お前のせいなんかじゃない……あぁ……よかった……お前が無事で」
彼は、虚空を見つめながらそう呟いた。
少しずつ彼が撫でてくれている手が動かなくなっている。
「遠矢!遠矢!ダメ死んじゃいや!」
彼が最後の力を振り絞り一言だけ呟いた。
「Merry Christmas――唯」
彼の腕が力尽き、地面へ音もなく崩れ落ちた。
その間にもフォースは《泥道化》の体の一部を吸収しつくし、次なるターゲットへ向かって右側の蝕腕を高速で向かわせる。
――「タイプ 創造型 creator the 《創造神》」――
その刹那、フォースの右半身が吹き飛んでいた。
彼女の異能――物質形状変化能力、いわゆる一つの物質から単純なもの、剣やナイフならいくらでも作り出す事ができる異能。
ゆえに彼女はcreator、創造神と名がついた。
彼女はT・Pのちょうど真下に存在するコンクリートを3メートルほどの円錐状に引き上げると同時にT・Pの右半身を吹き飛ばした。
左半身のみ残ったフォースはゆっくりと砂煙と血煙を混ざり合わせながら倒れてゆく。
砂埃と血煙の中で彼女は遠矢の唇にみずからの唇を重ねた。
「愛してる」
空から降ってきた雪は、すべてを包んでしまおうとするかのように真っ白であった。
今夜は聖なる夜、Christmas
「Merry Christmas――遠矢」
Fin
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こんな話が書けるんなら ”コノヨノマボロシ”の結末も・・・・・
とても楽しみです!