コノヨノマボロシ第二期《承》 >>1 >>2 >>3 >>4
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コノヨノマボロシ第四期《結》 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9
コノヨノマボロシ EX story >>1 >>2 >>3 >>4

2008.02.14 コノヨノマボロシ――EXstory――Valentine Day。
朝日が差し込み始めた。
今日は2月14日。
Valentine Day。
それは、一年に一度やってくる勝負の日。
それは、非日常の毎日に現れた”当たり前の日常”であるはずのイベント。
―それは。
――それは……。
―――それはまだ全てが始まっていなかった頃の物語。
【コノヨノマボロシ――EXstory――Valentine Day】

2007.06.11 イキテミテワカルコト
『イキテミテワカルコト』
当の昔に生への執着心なんて捨てた。
むしろ……”死にたい”と思うほどだ。
吹き抜ける風を頬に受けて、学校の駐輪場に止めてある愛車のバイクに跨った。
いま、他の連中はおとなしく授業を受けている。俺はというと、気分が悪いので早退。
なんてことはなくただの”サボリ”だ。
授業?めんどくせぇじゃん。
ハンドルにかけてあるヘルメットを被ってエンジンキーを差し込み、勢いよく回す。
大きな機械音と共にバイクが小刻みに震え始める。
バイクのエンジン音の向こう側から綺麗なソプラノ調の声が俺の名前を呼んだ。
「水谷!また抜け出すのか!」
こいつは、俺の担任の 雪村 静香 なにかと俺に構ってくるウゼー教師。
もうほっといてくれってカンジ?めんどくせぇよ。
俺は雪村を一瞥すると構わずバイクのアクセルを吹かした。俺を止める雪村の顔が見えるが、特に気にしない。
こんなことはいつものことだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜
次の日、学校が終わったあと雪村に呼び出された。
誰もいない教室に俺と雪村と……二人っきり。
ぁー、めんどくせぇ。
「水谷、お前はなにかを一生懸命やろうとか思ったことないのか?」
「ないね」
即答だ。そんなの見て判るだろ、お前だって教師なんだからさ。
「水谷……お前友達いるか?」
雪村が不意にそんなこと不安げな顔で聞いてくる。
「いないね、つーかいらね」
そう俺が言うと、少しうつむき加減になって。雪村は黙り込んだ。
コイツは教師なりに責任感じてるらしい。
「ダチなんてめんどくせぇよ、彼女とかもっとめんどくせぇ。なんでいちいち人の顔色うかがってなきゃいけねぇんだよ、だからいらねぇよ」
俺が、あきれてそう付け加えると今度は泣きそうな顔で俺を見た。
なんだよ、なんでお前が泣くんだよ。お前は俺の何でもないだろ。
そんな顔で俺を見るんじゃねぇよ。クソッ……めんどくせぇ。
「なぁ、もういいだろ、俺は帰るぞ」
それだけ言って逃げるように教室を後にした。
〜〜〜〜〜〜〜
校舎を出ると曇っていた空から大粒の雨が降っていた。
少し、駐輪場で雨宿りしてから小雨になったころを見計らってバイクに跨った。
学校を出て大通りに差し掛かった頃、見慣れた黄色の傘が見えた……雪村だ。
さっきあんなことがあったばかりなので顔を会わせ辛い、回り道して帰ろう。
そう思い立ったとき、雪村の前の横断歩道が青に変わったのと同時に前方右から黒のワゴンが見えた。
さては、あのワゴン強引に信号を渡るつもりだろう。
しかし、雪村はもうすでに半分の位置にいて車が通り抜けられるスペースはなかった。
十分すぎるほどスピードに乗ったワゴンはブレーキ音も空しく、雪村に突っ込んでいった。
次の瞬間、雪村は道路に横たわっていて頭や胸から大量の血を流していた。
ワゴンに乗っていたヤツらは若いヤツらでただ焦っているだけでオロオロしている。
俺は、考えるよりも先に体が動いていた。俺の手は思いっきりアクセルを吹かしていた。
「おい!!雪村しっかりしろ!!」
できるだけ揺らさないように声をかける。
「水谷……お前……また抜け出したのか……」
あきらかに大丈夫ではなかった。もはや意識が定まっていない。
雪村は体のいたるところから血を流していて、雪村を抱え上げると驚くほど冷たかった。
「もういい!!しゃべるんじゃねぇ!!いま……いま病院に連れてくからな!!」
雪村をバイクの後部座席に乗せると荷物用の紐で雪村と自分を結びつける。
アクセル全開で近くの病院に向かって走りだした。
「クソッ!!何でお前なんだよ!!なんで俺じゃなくてお前なんだよ……よりによって……お前なんだよ……」
――堪えられず涙が溢れた。
〜〜〜〜〜〜〜
病院に雪村を抱いて駆け込んだ。
看護婦がすぐにタンカを持ってきて雪村を寝かせた。
もう、肌に体温は感じなかった。
俺はただ呆然としていた。
〜〜〜〜〜〜〜
医者の話だと病院に駆け込んだ時点で雪村の心臓は止まっていたらしい。
むしろこの傷で即死じゃなかったのが奇跡だったそうだ。
とんだ奇跡もあったものだ。
しかし、なんだかんだであの日から3日過ぎていた。
俺は、通夜には出席せず誰もいない教室で一人きり。
誰もいない教卓に向かって一言。
「これで、生きるのめんどくせぇとか言ったらお前に悪いよな………」
「………俺、がんばってみるよ」
――外には、季節外れの雪が降っていた。
fin
当の昔に生への執着心なんて捨てた。
むしろ……”死にたい”と思うほどだ。
吹き抜ける風を頬に受けて、学校の駐輪場に止めてある愛車のバイクに跨った。
いま、他の連中はおとなしく授業を受けている。俺はというと、気分が悪いので早退。
なんてことはなくただの”サボリ”だ。
授業?めんどくせぇじゃん。
ハンドルにかけてあるヘルメットを被ってエンジンキーを差し込み、勢いよく回す。
大きな機械音と共にバイクが小刻みに震え始める。
バイクのエンジン音の向こう側から綺麗なソプラノ調の声が俺の名前を呼んだ。
「水谷!また抜け出すのか!」
こいつは、俺の担任の 雪村 静香 なにかと俺に構ってくるウゼー教師。
もうほっといてくれってカンジ?めんどくせぇよ。
俺は雪村を一瞥すると構わずバイクのアクセルを吹かした。俺を止める雪村の顔が見えるが、特に気にしない。
こんなことはいつものことだ。
〜〜〜〜〜〜〜〜
次の日、学校が終わったあと雪村に呼び出された。
誰もいない教室に俺と雪村と……二人っきり。
ぁー、めんどくせぇ。
「水谷、お前はなにかを一生懸命やろうとか思ったことないのか?」
「ないね」
即答だ。そんなの見て判るだろ、お前だって教師なんだからさ。
「水谷……お前友達いるか?」
雪村が不意にそんなこと不安げな顔で聞いてくる。
「いないね、つーかいらね」
そう俺が言うと、少しうつむき加減になって。雪村は黙り込んだ。
コイツは教師なりに責任感じてるらしい。
「ダチなんてめんどくせぇよ、彼女とかもっとめんどくせぇ。なんでいちいち人の顔色うかがってなきゃいけねぇんだよ、だからいらねぇよ」
俺が、あきれてそう付け加えると今度は泣きそうな顔で俺を見た。
なんだよ、なんでお前が泣くんだよ。お前は俺の何でもないだろ。
そんな顔で俺を見るんじゃねぇよ。クソッ……めんどくせぇ。
「なぁ、もういいだろ、俺は帰るぞ」
それだけ言って逃げるように教室を後にした。
〜〜〜〜〜〜〜
校舎を出ると曇っていた空から大粒の雨が降っていた。
少し、駐輪場で雨宿りしてから小雨になったころを見計らってバイクに跨った。
学校を出て大通りに差し掛かった頃、見慣れた黄色の傘が見えた……雪村だ。
さっきあんなことがあったばかりなので顔を会わせ辛い、回り道して帰ろう。
そう思い立ったとき、雪村の前の横断歩道が青に変わったのと同時に前方右から黒のワゴンが見えた。
さては、あのワゴン強引に信号を渡るつもりだろう。
しかし、雪村はもうすでに半分の位置にいて車が通り抜けられるスペースはなかった。
十分すぎるほどスピードに乗ったワゴンはブレーキ音も空しく、雪村に突っ込んでいった。
次の瞬間、雪村は道路に横たわっていて頭や胸から大量の血を流していた。
ワゴンに乗っていたヤツらは若いヤツらでただ焦っているだけでオロオロしている。
俺は、考えるよりも先に体が動いていた。俺の手は思いっきりアクセルを吹かしていた。
「おい!!雪村しっかりしろ!!」
できるだけ揺らさないように声をかける。
「水谷……お前……また抜け出したのか……」
あきらかに大丈夫ではなかった。もはや意識が定まっていない。
雪村は体のいたるところから血を流していて、雪村を抱え上げると驚くほど冷たかった。
「もういい!!しゃべるんじゃねぇ!!いま……いま病院に連れてくからな!!」
雪村をバイクの後部座席に乗せると荷物用の紐で雪村と自分を結びつける。
アクセル全開で近くの病院に向かって走りだした。
「クソッ!!何でお前なんだよ!!なんで俺じゃなくてお前なんだよ……よりによって……お前なんだよ……」
――堪えられず涙が溢れた。
〜〜〜〜〜〜〜
病院に雪村を抱いて駆け込んだ。
看護婦がすぐにタンカを持ってきて雪村を寝かせた。
もう、肌に体温は感じなかった。
俺はただ呆然としていた。
〜〜〜〜〜〜〜
医者の話だと病院に駆け込んだ時点で雪村の心臓は止まっていたらしい。
むしろこの傷で即死じゃなかったのが奇跡だったそうだ。
とんだ奇跡もあったものだ。
しかし、なんだかんだであの日から3日過ぎていた。
俺は、通夜には出席せず誰もいない教室で一人きり。
誰もいない教卓に向かって一言。
「これで、生きるのめんどくせぇとか言ったらお前に悪いよな………」
「………俺、がんばってみるよ」
――外には、季節外れの雪が降っていた。
fin

2007.02.01 ベニイロノマボロシ
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2007.01.01 コノヨノマボロシ EXstory
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2006.12.26 コノヨノマボロシ EX story
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