コノヨノマボロシ第二期《承》 >>1 >>2 >>3 >>4
コノヨノマボロシ第三期《転》 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9 >>10
コノヨノマボロシ第四期《結》 >>1 >>2 >>3 >>4 >>5 >>6 >>7 >>8 >>9
コノヨノマボロシ EX story >>1 >>2 >>3 >>4

2007.01.28 第十六話【strengthen one's determination to do】
第十六話【strengthen one's determination to do】
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^^
第十六話【strengthen one's determination to do】
流れてゆく景色が不意に止まったの同時に目が覚める。
ゆっくりと目を開けると、そこには白く、清潔感溢れる建物。
「病院?」
隼人が声をあげる。
―medical―は隼人を一瞥して言った。
「まぁ黙ってついてこいや」
隼人、紅姫、沙織、Yui、―medical―は車から降り、静かな機械音と共に開く自動ドアを抜けた。
すると、見慣れた病院の風景だった。右腕をギブスで巻いた青年。点滴を押しながら歩く老人。
なんの変哲も無い、”ただの病院”。―medical―が受付の看護婦に一言。
「307号室の患者にに面会で連絡をいれてんねんけど」
すると、受付の看護婦はゆっくりと微笑んで書類に―medical―の署名をもらうとまた微笑んだ。
「おおきに」
―medical―がそう言って愛想良く笑うと、看護婦は丁寧に部屋への道を教えてくれた。
ずっと黙ったまま一度も言葉を交わさずただ目的の部屋へと歩いてゆく。
緑色の廊下を抜けて突き当たりの部屋。
『307号室』
プラスチックのプレートにそう番号が打ってある部屋。
「紅ちゃんとYui はここで待っときい、用があるのは隼人と嬢ちゃんだけやからな」
―medical―がそう言ったのと同時に部屋から出てゆく銀髪の男……どこかでみたような……。
しかし、そんなことも気にも留めないふうに―medical―はノックすらせずにドアを開け放った。
――ガラッ
「んじゃ、お邪魔するでぇ〜」
それだけ言ってドアを開けた。マナーとか知らないのだろうかこの男は……。
ベットに横たわる、真っ白な女性。まるで、体中の色素が抜けてしまったかのような。
部屋の色が真っ白なせいか部屋に同化してしまいそうな……”無機質な女性”。
カツカツと大股で―medical―がその女性に近づこうとする。
そのすぐ隣に座る男、周りの目は気にしない性格なのか髪の毛に半分寝癖がついている。
「誰だ……!」
不意に隣に座っていた男の言葉。少し―medical―は目を吊り上げたが特になにをするでもなくこちらに手招きをする。
部屋にはいると四方白で統一されていた部屋が本当に淡白な世界。
部屋の窓に掛けてある青色のカーテンだけが綺麗な色彩を放っていた。
「ワイは―medical―って言うさかい。《狂気》から話を聞いてへんか?」
―medical―が一言。懐からタバコを一本取り出し、咥えたところで禁煙なのを思い出したのか忌々しそうにポケットに戻した。
「狂気……?そんな話は――」
男が警戒を解かない、殺気交じりで―medical―を睨んでいた男を、ベットの女性が腕を掴む。
「誠……私はこの人たちと話がある……外に出て」
女性の言葉は、優しく、どこか命令系ではない。綺麗な言葉。
すると誠と言うらしい男が事態を上手く飲み込めないように抵抗するように言い放った。
「な!?海!……お前を一人でこんな知らない奴等の前に置いて行けると――」
海と言うらしい真っ白な女性の掴んでいた腕の力が強くなった。
「誠……お願い」
何かを訴えるように言った。
すると、誠はゆっくりと頷いて外に出た。
出てゆく一瞬、こちらを見たようだ……どこかで見たことがあるような。
――ガラッ
―medical―が扉が閉まったのを確認すると真っ白な女性に視線を戻し一言。
「海はもう誰だか検討はついてるみたいやな?……隼人、お前は会ったことはないやろうな、紹介するわ……《滅》や」
一瞬、自分の耳を疑った。なぜ、《滅》がこんな場所にいるのか。同じ境遇とはどういうことなのか。
色んな考えが交錯して、少し混乱している。
「そこに掛けてくれ」
海という女性の一言に沙織と同じく置いてあった質素な丸イスに腰掛けた。
―medical―は壁に持たれかかりながら、ゆっくり目を閉じた。
窓に掛けてあった青色のカーテンがはためく。海がゆっくりと口を開く。
「初めまして、《幻》。空乃 海 《滅》だ」
不思議に危機感のないぶっきらぼうな挨拶。
不思議に警戒を解けた。本当に《滅》なのか……。
《滅》が沙織に視線を向けた。
「その子が《幻》が助け出したセカンドか……」
沙織に《滅》が視線を向けると沙織がおずおずと目を合わせた。
すると、《滅》が優しく微笑んだ。
沙織の表情から固さが消え、明るい笑顔が戻った。
「―medical―、彼女の進行状況は?」
壁に持たれかかった―medical―が目をつぶったまま答える。
「40%や、ちょうど……奈緒と同じくらいや」
《滅》がうつむいた。
しばしの沈黙……しかし、《滅》の一言。
「《幻》、お前は強い」
一瞬、意味がわからなかった。
全てを悟りきったような目で、言葉を続ける。
「お前は大切なものを守ろうとしているんだろう?しかし……それは本当に辛い道だ」
――目を見据えて答える。
「覚悟の上です」
それ以上、言葉が出てこなかった。
言おうと思えば言えた言葉もすべて飲み込んでしまっていた。
なぜだかわからないが、これ以上なにも言う必要がないと悟ったからかもしれない。
「全てを敵に回しても……確率が1%未満でも……それでもあきらめないのか?」
――自然と笑顔が出ていた。
「約束……しましたから」
―medical―と沙織の顔から笑みが零れた。
まるでその場の空気が一瞬で変わったかのような開放感。
「彼女が……沙織がT・Pだってことは、いまでも信じられません。全て悪い夢で、いつかまたあの日常が帰ってくるって思う日もあります。」
意識していないのに言葉が出てくる。
なにか心の奥から――溢れ出ているかのように。
「でも、沙織はT・Pだろうがなんだろうが沙織なんです。彼女に責任なんてないんです。だから――」
――決意を秘めた一言。
「……俺は――この子を救います」
―medical―は微笑し、沙織は隼人を見つめたまま涙を目に溜めて、《滅》もまた少し笑みを浮かべた。
「決意……出来たみたいやな?」
―medical―が一言。
静かに俯いた《滅》を見つめながら部屋のドアに手を掛けた。
その一瞬彼女の目から一粒の涙。
ドアに手を掛けたまま、《滅》見つめたまま一言。
―――「頑張れ」―――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^^^
―――ドアを閉めた瞬間。
―――もう一度自分の中で考えた。
―――決意と言う言葉の意味を……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^
―――しかし
―――事態は密かに進行している。

――蒼いカーテンが風に揺れた。
第十六話【strengthen one's determination to do】
流れてゆく景色が不意に止まったの同時に目が覚める。
ゆっくりと目を開けると、そこには白く、清潔感溢れる建物。
「病院?」
隼人が声をあげる。
―medical―は隼人を一瞥して言った。
「まぁ黙ってついてこいや」
隼人、紅姫、沙織、Yui、―medical―は車から降り、静かな機械音と共に開く自動ドアを抜けた。
すると、見慣れた病院の風景だった。右腕をギブスで巻いた青年。点滴を押しながら歩く老人。
なんの変哲も無い、”ただの病院”。―medical―が受付の看護婦に一言。
「307号室の患者にに面会で連絡をいれてんねんけど」
すると、受付の看護婦はゆっくりと微笑んで書類に―medical―の署名をもらうとまた微笑んだ。
「おおきに」
―medical―がそう言って愛想良く笑うと、看護婦は丁寧に部屋への道を教えてくれた。
ずっと黙ったまま一度も言葉を交わさずただ目的の部屋へと歩いてゆく。
緑色の廊下を抜けて突き当たりの部屋。
『307号室』
プラスチックのプレートにそう番号が打ってある部屋。
「紅ちゃんとYui はここで待っときい、用があるのは隼人と嬢ちゃんだけやからな」
―medical―がそう言ったのと同時に部屋から出てゆく銀髪の男……どこかでみたような……。
しかし、そんなことも気にも留めないふうに―medical―はノックすらせずにドアを開け放った。
――ガラッ
「んじゃ、お邪魔するでぇ〜」
それだけ言ってドアを開けた。マナーとか知らないのだろうかこの男は……。
ベットに横たわる、真っ白な女性。まるで、体中の色素が抜けてしまったかのような。
部屋の色が真っ白なせいか部屋に同化してしまいそうな……”無機質な女性”。
カツカツと大股で―medical―がその女性に近づこうとする。
そのすぐ隣に座る男、周りの目は気にしない性格なのか髪の毛に半分寝癖がついている。
「誰だ……!」
不意に隣に座っていた男の言葉。少し―medical―は目を吊り上げたが特になにをするでもなくこちらに手招きをする。
部屋にはいると四方白で統一されていた部屋が本当に淡白な世界。
部屋の窓に掛けてある青色のカーテンだけが綺麗な色彩を放っていた。
「ワイは―medical―って言うさかい。《狂気》から話を聞いてへんか?」
―medical―が一言。懐からタバコを一本取り出し、咥えたところで禁煙なのを思い出したのか忌々しそうにポケットに戻した。
「狂気……?そんな話は――」
男が警戒を解かない、殺気交じりで―medical―を睨んでいた男を、ベットの女性が腕を掴む。
「誠……私はこの人たちと話がある……外に出て」
女性の言葉は、優しく、どこか命令系ではない。綺麗な言葉。
すると誠と言うらしい男が事態を上手く飲み込めないように抵抗するように言い放った。
「な!?海!……お前を一人でこんな知らない奴等の前に置いて行けると――」
海と言うらしい真っ白な女性の掴んでいた腕の力が強くなった。
「誠……お願い」
何かを訴えるように言った。
すると、誠はゆっくりと頷いて外に出た。
出てゆく一瞬、こちらを見たようだ……どこかで見たことがあるような。
――ガラッ
―medical―が扉が閉まったのを確認すると真っ白な女性に視線を戻し一言。
「海はもう誰だか検討はついてるみたいやな?……隼人、お前は会ったことはないやろうな、紹介するわ……《滅》や」
一瞬、自分の耳を疑った。なぜ、《滅》がこんな場所にいるのか。同じ境遇とはどういうことなのか。
色んな考えが交錯して、少し混乱している。
「そこに掛けてくれ」
海という女性の一言に沙織と同じく置いてあった質素な丸イスに腰掛けた。
―medical―は壁に持たれかかりながら、ゆっくり目を閉じた。
窓に掛けてあった青色のカーテンがはためく。海がゆっくりと口を開く。
「初めまして、《幻》。空乃 海 《滅》だ」
不思議に危機感のないぶっきらぼうな挨拶。
不思議に警戒を解けた。本当に《滅》なのか……。
《滅》が沙織に視線を向けた。
「その子が《幻》が助け出したセカンドか……」
沙織に《滅》が視線を向けると沙織がおずおずと目を合わせた。
すると、《滅》が優しく微笑んだ。
沙織の表情から固さが消え、明るい笑顔が戻った。
「―medical―、彼女の進行状況は?」
壁に持たれかかった―medical―が目をつぶったまま答える。
「40%や、ちょうど……奈緒と同じくらいや」
《滅》がうつむいた。
しばしの沈黙……しかし、《滅》の一言。
「《幻》、お前は強い」
一瞬、意味がわからなかった。
全てを悟りきったような目で、言葉を続ける。
「お前は大切なものを守ろうとしているんだろう?しかし……それは本当に辛い道だ」
――目を見据えて答える。
「覚悟の上です」
それ以上、言葉が出てこなかった。
言おうと思えば言えた言葉もすべて飲み込んでしまっていた。
なぜだかわからないが、これ以上なにも言う必要がないと悟ったからかもしれない。
「全てを敵に回しても……確率が1%未満でも……それでもあきらめないのか?」
――自然と笑顔が出ていた。
「約束……しましたから」
―medical―と沙織の顔から笑みが零れた。
まるでその場の空気が一瞬で変わったかのような開放感。
「彼女が……沙織がT・Pだってことは、いまでも信じられません。全て悪い夢で、いつかまたあの日常が帰ってくるって思う日もあります。」
意識していないのに言葉が出てくる。
なにか心の奥から――溢れ出ているかのように。
「でも、沙織はT・Pだろうがなんだろうが沙織なんです。彼女に責任なんてないんです。だから――」
――決意を秘めた一言。
「……俺は――この子を救います」
―medical―は微笑し、沙織は隼人を見つめたまま涙を目に溜めて、《滅》もまた少し笑みを浮かべた。
「決意……出来たみたいやな?」
―medical―が一言。
静かに俯いた《滅》を見つめながら部屋のドアに手を掛けた。
その一瞬彼女の目から一粒の涙。
ドアに手を掛けたまま、《滅》見つめたまま一言。
―――「頑張れ」―――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^^^
―――ドアを閉めた瞬間。
―――もう一度自分の中で考えた。
―――決意と言う言葉の意味を……。
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―――しかし
―――事態は密かに進行している。

――蒼いカーテンが風に揺れた。
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2007.01.24 第十五話【Different boundary of Person】
【Different boundary of Person】
――"ヒト"ではない、人外の存在。
――この存在が、物語をさらに加速させる。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「Yui ……?」
隼人は、何か考え込むように腕を組みながら呟いた。
「それだけははっきりと思い出せる」
Yui はそう断言した。
紅姫が痺れを切らしたらしく、怒声にも似た声をあげる。
「それで?、これからどうするの?」
―medical―は、頭の後ろを掻きながらめんどくさそうに吐き捨てる。
「隼人、紅姫、嬢ちゃん、アンタらに会わせたい人がおんねん」
―medical―のいままでにない真剣な表情。
その場に走った緊張を取り除くように―medical―の一言。
「大丈夫や本部に通達はせん、けどまぁ、アンタらと同じ境遇を体験した奴がちょうど近くにいるみたいやからな」
―medical―は何か別の景色を見ているようだった。
「そういえば……アンタはどうする?Yui 」
Yui は考え込む事は無く真っ直ぐと前を見つめたまま。
「私は、私が誰なのか知るために……隼人、お前についていく」
Yui は、隼人から目を逸らすことは無く。隼人はゆっくりと頷いて一言。
「俺は……会ってみたいその人に」
続いて紅姫も。
「それしかないのなら、行くしかないのね」
二人の言葉に笑顔で答えた―medical―。すっかり夜が明けてしまった空を見上げながら。
立ち込める砂煙と、すっかりと穴だらけになってしまった高速道路。
その上をゆっくりと歩いている。
「空か……お前ならどうする?……奈緒」
―medical―の問いに、青く澄み渡った空が答えることはなかった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
流れてゆく景色を眺めながら。
蒼く澄み渡った空を眺めながら。
自分の進むべき道を、歩いてゆく。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
隼人、紅姫、沙織、Yui、―medical―は隼人の車に乗り込んだ、―medical―がハンドルを握り穴だらけの高速道路を引き返しながら走っている。
隼人達は仮眠を取っている。激戦を繰り広げた上に、まともに睡眠を取っていないのだから当然だ。
高速で景色が流れてゆく。
Yui は流れてゆく景色を眺めながら―medical―へ一言。
「隼人さんは、なんでここまで沙織さんを助けようとするのでしょうか?……もうすでに人ではないのに」
不安が交じり合った声が放ったのは、どうしようもなく行き場のない言葉。
―medical―は蒼く澄み渡った空を眺めながら、タバコを一本取り出し火をつけて吹かす。
「そんなこと、知らんけど……まぁ最初から理由なんてないんやないか?たとえば、T・P化したのがまったくの赤の他人なら隼人かて残滅指定になれば簡単にころせるんやろなぁ、まぁけど今回はちょっとばっかし状態が違うんや、自分の肉親や友達、ましてや愛した人なんて……そんな簡単に割り切って殺せるもんやないと思うで、それを隼人が悩んだ結果の結論が嬢ちゃんを助けることになっただけの話やないんかな?まぁ”結論”なんて言葉では説明できん位の覚悟が必要なんやと思うけどな」
いつになく饒舌な―medical―の口からでたのはすべて悟りきったような言葉。
まるで、自分の体験を語るように。
「理解できません、”T・P化した人間は殺す”それはルールなのでしょう?」
口からでたのは否定の言葉。
しかし、―medical―がYui の問いに答える事はなく、火が消えてしまったタバコを携帯用の灰皿に押し込んだ。
蒼く澄み渡った空を見上げたまま、―medical―は一言。
「ワイは間違ってないよな?奈緒」
――その問いに、空が答える事は決してなかった――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^
――しかし
――事態は密かに進行している。

『ワイは間違っていないよな?』
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2007.01.21 コノヨノマボロシ【第十四話『The valley lay drizzled all in a night fog』】
『The valley lay drizzled all in a night fog』
――響き渡る轟音。
――巻き上げられた砂煙。
――極度に達する緊張感。
――始めようか、『命の駆け引きを』。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
巻き上げられた砂煙を夜の霧雨が洗い流そうとしていた。
その中に一つ、降り立った一つの影。
「やっぱりT・Pか、仲間の臭いでも嗅ぎ付けてきたのか」
隼人の第一声。続いて紅姫も。
「気を抜かないで隼人、いまとにかく沙織さんをできるだけ遠くへ」
凍りつくような殺気を放ちながら緊張の糸を切らさず、”影”を目視したまま一言。
―medical―も掌を青白く発光、『細胞活性化能力』を発動させた。
しだいに砂煙が晴れてゆき、夜の静かな月明かりが霧雨に反射して影を映し出す。
――そこには、一人の紛れも無い”人外”が立っていた。
一見、18〜19歳ほどの女性。綺麗な黒髪、童顔の綺麗な顔立ち。
しかし、その”存在”から放たれる独自の殺気は人の物ではなかった。
”人の外見”に”T・Pの圧力”。
まさに、人外であった。
「人なんか?T・Pなんか?……クソッどっちなんや!!」
身構えたままの―medical―はそんな講義の声をあげる。
すると”人外”の存在がゆっくりと口を開いた。
『ココは……ドコ?貴方達は何者?』
”人外”がそう呟くと紅姫と隼人、―medical―の三人は身構えるのをやめ”人外”の一言に―medical―が声をあげる。
「アンタがただの人ではないことは確実や、アンタ名前は?」
―medical―の一言に少し考えたあと、淡々と機械的な口調で話し出す。
そう、まるで”製造物”のように。
「ワタシは……実験体【C-10453番】」
隼人が、負に落ちない顔で。
「実験体【C-10453】番?まるでなにかの製造番号みたいな……」
続いて紅姫も目線を”人外”から離さずに一言。
「貴方はドコで作られたの?貴方は……何者なの?」
”人外”は紅姫の問いに答えることはなく、ただ紅姫の問いを繰り返していた。
そして、”人外”はなにか思い出したように。
「Yui ……そう呼ばれていた気がする……」
――深夜の高速道路に降り立った”人外”。
――Yui と名乗った彼女には。
――どこか、悲しい雰囲気があった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――しかし
――事態は密かに進行している。

――巻き上げられた砂煙。
――極度に達する緊張感。
――始めようか、『命の駆け引きを』。
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巻き上げられた砂煙を夜の霧雨が洗い流そうとしていた。
その中に一つ、降り立った一つの影。
「やっぱりT・Pか、仲間の臭いでも嗅ぎ付けてきたのか」
隼人の第一声。続いて紅姫も。
「気を抜かないで隼人、いまとにかく沙織さんをできるだけ遠くへ」
凍りつくような殺気を放ちながら緊張の糸を切らさず、”影”を目視したまま一言。
―medical―も掌を青白く発光、『細胞活性化能力』を発動させた。
しだいに砂煙が晴れてゆき、夜の静かな月明かりが霧雨に反射して影を映し出す。
――そこには、一人の紛れも無い”人外”が立っていた。
一見、18〜19歳ほどの女性。綺麗な黒髪、童顔の綺麗な顔立ち。
しかし、その”存在”から放たれる独自の殺気は人の物ではなかった。
”人の外見”に”T・Pの圧力”。
まさに、人外であった。
「人なんか?T・Pなんか?……クソッどっちなんや!!」
身構えたままの―medical―はそんな講義の声をあげる。
すると”人外”の存在がゆっくりと口を開いた。
『ココは……ドコ?貴方達は何者?』
”人外”がそう呟くと紅姫と隼人、―medical―の三人は身構えるのをやめ”人外”の一言に―medical―が声をあげる。
「アンタがただの人ではないことは確実や、アンタ名前は?」
―medical―の一言に少し考えたあと、淡々と機械的な口調で話し出す。
そう、まるで”製造物”のように。
「ワタシは……実験体【C-10453番】」
隼人が、負に落ちない顔で。
「実験体【C-10453】番?まるでなにかの製造番号みたいな……」
続いて紅姫も目線を”人外”から離さずに一言。
「貴方はドコで作られたの?貴方は……何者なの?」
”人外”は紅姫の問いに答えることはなく、ただ紅姫の問いを繰り返していた。
そして、”人外”はなにか思い出したように。
「Yui ……そう呼ばれていた気がする……」
――深夜の高速道路に降り立った”人外”。
――Yui と名乗った彼女には。
――どこか、悲しい雰囲気があった。
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――しかし
――事態は密かに進行している。

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2007.01.17 コノヨノマボロシ『The moon was out last night』
『The moon was out last night』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――いつしか、雨が降り始めていた。
――夜空と大地を繋ぐ雨は全てをかき消そうとするかのように、降り続いていた……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「そういうことかい……迂闊やったわ、もうそこまで侵食が進んでるなんてなぁ」
―medical―は、青白く光る掌で空を切ると一瞬で掌の異能が解除される。
そして―medical―の左の掌が淡いオレンジ色に光り始める。
―medical―が沙織に向かってゆっくりと歩いてゆくと隼人と紅姫は即座に身構える、そして―medical―がおどけたように。
「身構えんでもええ、その嬢ちゃんにこれ以上手は出さん」
―medical―の顔が穏やかな表情になる。紅姫は激痛で気を失った沙織を見守りながら。
「なにをする気?変なことしたら……わかってるわよね?」
紅姫が鋭い目線を―medical―に向けると―medical―が困った表情でおどける。
「別になにもせんっていうとるやろ紅ちゃん〜、まぁ見てて♪」
―medical―は子供のように笑うと淡いオレンジ色の光を沙織の傷口に押し当てる。
すると、沙織の顔色に変化が起き始めた。血煙色だった顔色から生気が戻り始めた。
隼人は驚きの声をあげる。
「すごい……これが、再生の〔細胞活性化能力〕……」
―medical―は集中力をとぎらせずにいつになく真面目は顔で言う。
「勘違いすんなや、これ以上この嬢ちゃんを傷つける必要がなくなっただけの話や」
―medical―の一言に紅姫は塞がってゆく傷口を見守る。
傷口から覗いていた。血肉が淡いオレンジ色に変化すると同時に細胞が急激に増殖を始め、すぐさま新たな細胞が欠けた部分を補ってゆく。
「どういうこと?沙織さんの侵食状態がどうかした?」
紅姫の問いに―medical―は傷口の治療を終え、額の汗を拭って真面目に答える。
「そういうことや、その嬢ちゃんの侵食状態はもうすでに40%を超えとる、これ以上この嬢ちゃん傷つけようもんなら人体が防衛本能に任せて侵食のスピードが急激に加速させる。そないなことになったら色々めんどいわ、それにT・P化した嬢ちゃんを殺すのは簡単やけど紅ちゃん達が黙って見てるとも思えへんしなぁ、どっちにしろめんどいわ」
―medical―が懐から一本タバコを取り出すと紅姫がタバコを目視、その刹那。
タバコの先に火が灯っていた。
紅姫が不満そうに。
「私はライターじゃないんだけど……」
―medical―はヘラヘラと笑いながら一度、紫煙を肺まで回しゆっくりと吐き出す。
「ええやないか〜嬢ちゃんの傷の代金やありがたく頂いとくで」
―medical―がそういい切った瞬間、隼人、紅姫、―medical―の眼光、雰囲気が変化する。
――「まぁ……お話はこれでしまいみたいやな?」
タバコの火を押し消した―medical―。
――「そのようね、気を抜かないで……」
いつになく、殺気をむき出しの紅姫。
――「一時休戦だな」
沙織を抱いたままの隼人。
――刹那――
――響き渡る轟音――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^
――しかし
――事態は密かに進行している。

――いつしか、雨が降り始めていた。
――夜空と大地を繋ぐ雨は全てをかき消そうとするかのように、降り続いていた……。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
「そういうことかい……迂闊やったわ、もうそこまで侵食が進んでるなんてなぁ」
―medical―は、青白く光る掌で空を切ると一瞬で掌の異能が解除される。
そして―medical―の左の掌が淡いオレンジ色に光り始める。
―medical―が沙織に向かってゆっくりと歩いてゆくと隼人と紅姫は即座に身構える、そして―medical―がおどけたように。
「身構えんでもええ、その嬢ちゃんにこれ以上手は出さん」
―medical―の顔が穏やかな表情になる。紅姫は激痛で気を失った沙織を見守りながら。
「なにをする気?変なことしたら……わかってるわよね?」
紅姫が鋭い目線を―medical―に向けると―medical―が困った表情でおどける。
「別になにもせんっていうとるやろ紅ちゃん〜、まぁ見てて♪」
―medical―は子供のように笑うと淡いオレンジ色の光を沙織の傷口に押し当てる。
すると、沙織の顔色に変化が起き始めた。血煙色だった顔色から生気が戻り始めた。
隼人は驚きの声をあげる。
「すごい……これが、再生の〔細胞活性化能力〕……」
―medical―は集中力をとぎらせずにいつになく真面目は顔で言う。
「勘違いすんなや、これ以上この嬢ちゃんを傷つける必要がなくなっただけの話や」
―medical―の一言に紅姫は塞がってゆく傷口を見守る。
傷口から覗いていた。血肉が淡いオレンジ色に変化すると同時に細胞が急激に増殖を始め、すぐさま新たな細胞が欠けた部分を補ってゆく。
「どういうこと?沙織さんの侵食状態がどうかした?」
紅姫の問いに―medical―は傷口の治療を終え、額の汗を拭って真面目に答える。
「そういうことや、その嬢ちゃんの侵食状態はもうすでに40%を超えとる、これ以上この嬢ちゃん傷つけようもんなら人体が防衛本能に任せて侵食のスピードが急激に加速させる。そないなことになったら色々めんどいわ、それにT・P化した嬢ちゃんを殺すのは簡単やけど紅ちゃん達が黙って見てるとも思えへんしなぁ、どっちにしろめんどいわ」
―medical―が懐から一本タバコを取り出すと紅姫がタバコを目視、その刹那。
タバコの先に火が灯っていた。
紅姫が不満そうに。
「私はライターじゃないんだけど……」
―medical―はヘラヘラと笑いながら一度、紫煙を肺まで回しゆっくりと吐き出す。
「ええやないか〜嬢ちゃんの傷の代金やありがたく頂いとくで」
―medical―がそういい切った瞬間、隼人、紅姫、―medical―の眼光、雰囲気が変化する。
――「まぁ……お話はこれでしまいみたいやな?」
タバコの火を押し消した―medical―。
――「そのようね、気を抜かないで……」
いつになく、殺気をむき出しの紅姫。
――「一時休戦だな」
沙織を抱いたままの隼人。
――刹那――
――響き渡る轟音――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^
――しかし
――事態は密かに進行している。

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2007.01.09 コノヨノマボロシ『the static and dynamic states』
『the static and dynamic states』
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~^~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――深夜の高速道路の上でぶつかり合った2つの影。
――しかし、その影に続くように”3つ目の影”があった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―medical―は信じられないという表情をした。
隼人は顔を絶望の色に染めた。
「沙織ィィィィィィ!!」
3つ目の影――すなわち”沙織”はとっさに隼人へ向かう―medical―に対しそれを超える速度で隼人と―medical―の間に入った。
その結果、―medical―の青白く光る掌が沙織の右肩を貫いた。
沙織がその場に崩れ落ちる。
隼人はゆっくりと崩れ落ちる沙織を受けとめ、声を掛ける。
「”馬鹿野郎”なんで!なんで俺をかばったんだ!」
―medical―は沙織を貫いた掌を引くと、調子を変えずに言う。
「まぁ……ええわ、ちょっと順番が変わっただけやこの掌は人体では崩壊を招くレベルに設定してあるからな、助からんでその嬢ちゃん」
――【細胞活性化能力】――
人体の細胞活性を人為的に促す事ができる異能である。
そして、細胞活性レベルを人間の細胞では許容量を超えたレベルに設定した。
傷口から、腐って……死に至る。
「その嬢ちゃんがあのスピードで動けるとは思わへんかったわ、けどな結局同じことやあんさんら全員ここで……」
「殺す」
不意に隼人の口からそんな言葉が飛び出した。
「ぁ?なんや-pantom-、もう一回言ってみぃ」
――「”ぶっ殺す”って言ってんだよこの”クズ野郎”!!」――
その刹那、隼人の姿が―medical―の視界から消えた。
そして、―medical―の体が大きく左に吹き飛ばされる。その間【2、98秒】。
この約3秒間に隼人は【力式変化能力LV2】を発動―medical―の後ろへ超高速で回り込み、勢いを乗せた回し蹴りを放っていた。
そしてそのさらに【5、62秒】後、―medical―の腹部に隼人の拳が突き刺さった。
――「てめぇだけは……絶対殺す!!てめぇが何万回誤ろうが!!絶対にゆるさねぇ!!」――
次々に繰り出される、”空気を震わすほどの蹴り”と”まるで槍のごとく鋭い拳撃”。
―medical―の顔が悲痛の色に染められる。
しかし、隼人の顔の前に青白く光る掌が現れた。
隼人は大きく後方へ跳躍。
―medical―は血が混じった唾を吐き捨てると、立ち上がる。
「ええ加減にしくされよ!!なんでや!!なんで”T・Pごとき”にそこまでできるんや!!」
「お前にはわからないか……、沙織はな、T・Pだろうがなんだろうが沙織なんだよ!、けどなその沙織はその境遇を望んでない!だから俺は……」
「”助けたい”いうんか!このドアホ!そんな勝ち目のない大博打に己の人生、全部かけてどないすんねん!負けて全部失うで!!」
隼人は沙織の側へ歩き出す。
「それでも、勝ち目が無い大博打でも、俺の人生全部失うとしても」
沙織の手を握りながら言う。
――「俺はこの子を助けたい」――
―medical―が力なくうなだれる。
「けどな、もう手遅れや……もう細胞の崩壊は止められん」
しかし、―medical―は沙織を一瞥して驚いた。
「なんで……細胞の崩壊が始まってないねん……そんなことありえん、しっかりと人体では不可能なレベルに……」
隼人が笑みを浮かべた。
「”人体”ではだろ、沙織はT・Pだ当然細胞にもT・Pの細胞が使われている。すなわち沙織は”人間”じゃない」
――「この子はまだ助かるんだ」――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――しかし――
――自体は密かに進行している。

――深夜の高速道路の上でぶつかり合った2つの影。
――しかし、その影に続くように”3つ目の影”があった。
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
―medical―は信じられないという表情をした。
隼人は顔を絶望の色に染めた。
「沙織ィィィィィィ!!」
3つ目の影――すなわち”沙織”はとっさに隼人へ向かう―medical―に対しそれを超える速度で隼人と―medical―の間に入った。
その結果、―medical―の青白く光る掌が沙織の右肩を貫いた。
沙織がその場に崩れ落ちる。
隼人はゆっくりと崩れ落ちる沙織を受けとめ、声を掛ける。
「”馬鹿野郎”なんで!なんで俺をかばったんだ!」
―medical―は沙織を貫いた掌を引くと、調子を変えずに言う。
「まぁ……ええわ、ちょっと順番が変わっただけやこの掌は人体では崩壊を招くレベルに設定してあるからな、助からんでその嬢ちゃん」
――【細胞活性化能力】――
人体の細胞活性を人為的に促す事ができる異能である。
そして、細胞活性レベルを人間の細胞では許容量を超えたレベルに設定した。
傷口から、腐って……死に至る。
「その嬢ちゃんがあのスピードで動けるとは思わへんかったわ、けどな結局同じことやあんさんら全員ここで……」
「殺す」
不意に隼人の口からそんな言葉が飛び出した。
「ぁ?なんや-pantom-、もう一回言ってみぃ」
――「”ぶっ殺す”って言ってんだよこの”クズ野郎”!!」――
その刹那、隼人の姿が―medical―の視界から消えた。
そして、―medical―の体が大きく左に吹き飛ばされる。その間【2、98秒】。
この約3秒間に隼人は【力式変化能力LV2】を発動―medical―の後ろへ超高速で回り込み、勢いを乗せた回し蹴りを放っていた。
そしてそのさらに【5、62秒】後、―medical―の腹部に隼人の拳が突き刺さった。
――「てめぇだけは……絶対殺す!!てめぇが何万回誤ろうが!!絶対にゆるさねぇ!!」――
次々に繰り出される、”空気を震わすほどの蹴り”と”まるで槍のごとく鋭い拳撃”。
―medical―の顔が悲痛の色に染められる。
しかし、隼人の顔の前に青白く光る掌が現れた。
隼人は大きく後方へ跳躍。
―medical―は血が混じった唾を吐き捨てると、立ち上がる。
「ええ加減にしくされよ!!なんでや!!なんで”T・Pごとき”にそこまでできるんや!!」
「お前にはわからないか……、沙織はな、T・Pだろうがなんだろうが沙織なんだよ!、けどなその沙織はその境遇を望んでない!だから俺は……」
「”助けたい”いうんか!このドアホ!そんな勝ち目のない大博打に己の人生、全部かけてどないすんねん!負けて全部失うで!!」
隼人は沙織の側へ歩き出す。
「それでも、勝ち目が無い大博打でも、俺の人生全部失うとしても」
沙織の手を握りながら言う。
――「俺はこの子を助けたい」――
―medical―が力なくうなだれる。
「けどな、もう手遅れや……もう細胞の崩壊は止められん」
しかし、―medical―は沙織を一瞥して驚いた。
「なんで……細胞の崩壊が始まってないねん……そんなことありえん、しっかりと人体では不可能なレベルに……」
隼人が笑みを浮かべた。
「”人体”ではだろ、沙織はT・Pだ当然細胞にもT・Pの細胞が使われている。すなわち沙織は”人間”じゃない」
――「この子はまだ助かるんだ」――
~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
――しかし――
――自体は密かに進行している。

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